帰省

この夏は実家のある山口に帰った。お盆の時期に帰るのは何年ぶりだろうか。

自営となり、渋滞や帰省の人で溢れ、交通費も上がる頃にわざわざ帰らなくても良いなと思っていることもあり、

そんな日をずらして帰るというのが常だった。

でもこうやってお盆の時期に帰ると、家の近所にある忌宮神社で行われる数方庭というお祭りをみることができる。

それは男たちが一人で長い竹をバランスを保ちながら持ち、女性は切籠(きりこ)と呼ばれる七夕飾りを持って、鬼石と呼ばれる境内の中心に置かれる石を周る。ことばだけでは一見少し地味にみえるが、そこに流れる緊張感などは、みていて静かに興奮する。

子どもの頃見ていたそれとはまた異なる感じ方や見え方をしていることが少し嬉しかった。

1800年続いているというこんなお祭りが、自分が育った街にあることはとても有り難く誇らしく感じた。

 

結局、山口に滞在したのは3日間という短い時間だったが、今はずっと一緒にいるのに、この街で過ごした時間を何も知らない妻と一緒にこの街やその周辺を歩くのもまた、とても良き時間だった。